ふぐの子サブレ
こんにちは!
食レポ熟女ヤギネでございます。
石川県には「 ふぐの子の糠漬け 」という究極の珍味があります。
猛毒であるはずのゴマフグの卵巣を2年以上糠漬け(塩漬け)にすることで毒素を消した食品。
ちなみに、なぜ毒が消えるのか、そのメカニズムはわかってないそうな。恐ろしい。
父がこの食べ物が好きで、石川県に行くとよく買ってくるのですが、かなり強烈な匂いがして(焼くと、キッチンから匂いがしばらく消えません)、味もむちゃくちゃしょっぱいので好き嫌いが分かれます。
私は単体だとやや苦手ですが、ふぐの子の粕漬けを使って作るパスタは好きです。
今年の1月、石川県に旅行に行った際、道の駅のお土産物屋にて、こんなとんでもない商品を発見しました。
禁断のグルメ、ふぐの子サブレです。
その名の通り、ふぐの子、つまりふぐの卵巣の粕漬けを使ったサブレ。
あのかなりクセのある食べ物を、まさかサブレに入れてしまうとは!!
人間とは恐ろしいことを思いつくものです。
味は2種類あって、一つは「 秘味さけかす 」
「 秘して味わう 発酵珍味菓子 」って書いてありますね。
なぜ秘密にしなければならないのか。
で、もう1種が「 魔味 こめぬか 」
… 魔味ってなに?!
怖い。いろんな意味で怖すぎます。
思わず買っては見たものの、食べる勇気が持てず、かれこれ半年食品棚の奥底に隠していたんですよ。
でも賞味期限が来月に迫り、さすがに現実と向き合うしかなくなりました。
という訳で、禁断の封印を開け、食べてみましょう!!
まずは「 秘味 さけかす 」から。
原材料はこんな感じ。
うん、ばっちり「 ふぐ卵巣粕漬 」って書いてありますね。
あと、なんか「 いわし魚醤 」とかも入ってるんですけど!
サブレにいれる材料じゃなくない?!
で、こちらが中身です。
茶色い粒々は全部フグの卵だと思います。
粕漬けの状態と見た目が同じなので。
惜しむことなく、たっぷり入ってますね。
鼻を近づけると、ふわっとクセのある粕漬けの香り。
実際のフグの粕漬けと比べるとだいぶマイルドですが、サブレから漂って来る匂いではないです。
恐る恐る食べてみると、なんとまさかのソフトクッキー!
柔らかく、ほろほろと崩れます。
それよりもなによりもビックリしたのが、これ、普通に美味しいんですけど。
味には香りのようなクセがなく、酒粕の風味がほどよく、優しい甘みはコーヒーや紅茶ともよく合いそう。
残念ながらというか、幸いなことにというか、フグの子の粕漬けの味は感じません。
これ、香りに気づかなければ、全然キワモノじゃないと思います。
続いて、「 魔味 米ぬか 」
「 秘味 さけかす 」の原材料と見比べた感じ、「 酒粕 」が抜けてるだけであとは同じですね。
見た目はこっちのほうが茶色っぽい。
香りは酒粕入りほどクセもなければ強くもなく、「 ほんのり米ぬかっぽいかな? 」くらい。
やや香ばしい匂い。
で、食べてみると、こちらはなんとザクザク食感!
原材料から酒粕が抜けただけなのに、食感までハードタイプに変わるとは。
焼き時間や材料の配合量が違うのかな?
味も全くの別物で、こちらは酒粕特有のチーズっぽい風味がして、塩気があります。
白ワインのオツマミになりそうな、大人のサブレ。
これはこれで美味しい!
怖くてずっと封印していた2種のサブレでしたが、まさか美味しく食べられるなんて夢にも思わず。
私は何をいったい怖がっていたんだろう。
食べ比べて思ったのは、香りにフグの粕漬け感が出ているのは「 秘味 さけかす 」で、味に出ているのは「 魔味 米ぬか 」ですね。
フグの子の粕漬けよりも全然クセがないので、粕漬けはちょっと怖くて試せないって人は、このサブレから入ってみても良いかも。
以上、ふぐの子サブレ2種を食べた感想でした。
最後まで読んでくれてありがとー。